『……！！
シャルロット
『ぱぱー！ ままー！ どこいくの！？
『まって！ いかないでー！！
『ぱぱ… まま…
『……ゆ…め……
ヒース
「シャルロット！だいじょうぶか！？
そうかい？どこかケガでもしたのかと思ってびっくりしたよ。
いつもの元気なシャルロットのようだね。
ヒース
「司祭様…シャルロットの事でちょっと……
光の司祭
「おお、ヒース。ワシのまご、シャルロットが
どうしたんじゃ？
ヒース
「……さいきん、あまり元気がないようす、
まだおさなく見えるとはいえ、エルフの血をひく１５さい…
例の現象をびんかんに感じとっているのかも知れません……
司祭
「……そうか…、見たまえ、ヒース。
マナの女神像が血の涙を流しておる……
そして、昨夜の湖の上にあらわれた光…
ヒース
「ええ、夜中だというのに、まるで昼間のような
まばゆい光でした。あれは？
司祭
「わからぬ。じゃが、さいきんのマナの変動と、何か関係が
あるハズじゃ。光は対岸のアストリアの村の方に消えた。
すまぬが行って、調べてきてはくれぬか？
ヒース
「はい、かしこまりました。それにジャドの方からも
邪悪な気配も感じます。念のため滝の洞窟には、外部の者が
ウェンデルに入れぬよう、結界をはっておきましょう…
シャルロット
『…ひかり？もし、あぶないものだったら
ヒースがたいへんでち。あたちが、まもってあげなくちゃ！
シャルロット
『おじいちゃん！
司祭
「おお、シャルロット。
よいか？今日はおとなしく神殿の中にいるんじゃぞ！
『どうして？
「む…どうしてもじゃ！さあ、上の部屋で本でも読んでなさい。
『ちぇ〜、つまーんなーいのー
「シャルロット、みたかい、あの、めがみぞー！
『ちのなみだ』だぜ〜！！うへぇ、きもちわりー。
「ヒースのアニキなら、もうアストリアに、しゅっぱつしたよ！
「ささ、シャルロットちゃん、司祭様の言う事を聞いて、
上のかいで、おとなしくしているんですよ。
「おやシャルロットちゃん、左の部屋で本でも読むのかね？
かんしん、かんしん。
『……と…に…ので…が……
『……むずかしくて、よめまちぇん！
「おやシャルロット、右の部屋でおひるねかい？
よく寝るね！
「シャルロットちゃんのおじい様、光の司祭様は
いだいなお方なんですよ！私もいつか、司祭様のように
人々の心の支えになれるよう、がんばろうと思います…
「シャルロットちゃんのお父様、リロイ様は、司祭様の反対を
押し切って、エルフだったシェーラ様と禁断の恋に落ち、
けっこんしてシャルロットちゃんが生まれたんです。
「シャルロットちゃんのお母様、シェーラ様は
エルフでしたから、シャルロットちゃんは、ハーフエルフと
いう事になるんですよ。
「ヒースは、われわれ神官の中でも、いちばん精神力が高く、
司祭様からもしんらいされている。
「司祭様の言う事をきいて、おとなしくしててくださいよ！
「あ！シャルロットさん、いけません、
今日は神殿の中にいてください！
シャルロット
『はなすでち！ヒースをたすけにいくんでち！
ミック
「あ、シャルロットさん…
「え〜〜っ！？アストリアまで行きたいって？むりですよ！！
とちゅうのタキのドークツには、こわいモンスターがいっぱい
いるから、おとなたちみたいに、まほうがつかえないと…
シャルロット
『んまっ！しつれいなガキんちょでちね！
こーみえても、シャルロットは、あんたみたいな、
ほんとのガキんちょとちがって、はなもはじらう１５さい！
『…ただ、せーちょーがふつーのひとより、
ちょこっとおそいだけでち！としうえの
おねーたまのゆーことが、きけないんでちか！？おしおきでち！
ミック
「わっ、わかりましたよ！…じゃあ、こんや、
２かいのテラスにきてください。とっておきの、ヒミツの
ほうほうをためしてみましょう！
（夜まで、おひるねしますか？）
シャルロット
『やったー、よるでち！
「シャルロット、ミックが、探してたぞ。
ミック
「シャルロットさん！こっちこっち！！
ミック
「さあ、さがっててください！
…コレをだれにもみつからないように、よういするのは、
たいへんだったんスから……
ミック
「ジャーン！コレは、『バネクジャコ』といってですねえ
ちょースゲージャンプができるんですよー！！
どこで、てにいれたかは、ヒ・ミ・ツ！
シャルロット
『なまいき、いってるんじゃないでち！
こんなもんで、どーしよーってんでちか？
「コレをつかえば、おとなたちにみつからずにアストリアまで
あっというまに、いけるハズです。
さあ、いそいで！みつかったらおおめだまくらっちゃいますよ！
ミック
「……あ！いけね！しっぱいだあ！
お、おれしらねえ！
| デュラン | 「イテテ…、おい、だいじょうぶか？ |
| アンジェラ | 「イッターイ、もう、しんじらんなーい！ |
| ケヴィン | 「ウウ…、何だ何だ！お、おんなのこ！？ |
| ホークアイ | 「イテテ…おい、だいじょうぶか？ |
| リース | 「おじょうちゃん…だ、だいじょうぶ？ |
| デュラン | 「……だめみたいだな…、しょうがない、戻るか… |
| アンジェラ | 「……このまま、ほっとこうかな？ |
| ケヴィン | 「……アウウ、ど、どうしよう… |
| ホークアイ | 「……だめみたいだな…、しょうがない、戻るか… |
| リース | 「……だめみたいね…、しょうがないなあ… |
| デュラン | 「よう、目が覚めたかい？ もうだいじょうぶ。ここはアストリアの宿屋だよ。 |
| アンジェラ | 「ようやくお目覚め？ぐーぐーよだれたらして寝てたよ！ ここはアストリアの宿屋。宿代だってタダじゃないんだから！ |
| ケヴィン | 「あう！あの、お、おれ、その… ここ、アストリアの宿屋。平気か…？ |
| ホークアイ | 「よう、目が覚めたかい？ もうだいじょうぶ。ここはアストリアの宿屋だよ。 |
| リース | 「あら、目が覚めたようね？ もうだいじょうぶ。ここはアストリアの宿屋よ。 |
シャルロット
『…う、う、ごめんちゃい。
みっくのやつう〜、かえったらおしおきでち！
| デュラン | 「じゃあ、オレは用があるから行くぜ。今夜はもうおそいから、 おじょうちゃんは、このまま、ここで休んで行くといい… |
| アンジェラ | 「さーて、私はもう行くから、あんた、朝までここで寝てけば？ せっかく宿代はらったんだし。じゃあね！ |
| ケヴィン | 「う…お、おれ、もう行く。 外、もう真夜中。ここで、寝て行くといい… |
| ホークアイ | 「じゃあ、オレは用があるから行くぜ。今夜はもうおそいから、 おじょうちゃんは、このまま、ここで休んで行くといい… |
| リース | 「じゃあ、私は用があるから行くね。今夜はもうおそいから、 おじょうちゃんは、このまま、ここで休んで行きなさい… |
『きのうのばんは、しんせつなひとにあって、たすかりまちた。
さあ、こうしちゃいられまちぇん。
はやく、ヒースをさがすでち！
獣人達
「何だ、おまえ！こんなところで何をしている？
ヒース
「！？おまえ達、ビーストキングダムの獣人だな？
なぜ、こんなところに！？
獣人
「…こいつ、ウェンデルの神官だぞ！
われわれを見た以上、このまま帰すわけにはいかんな！
ウェンデル侵攻の邪魔になる。
ヒース
「何だって！？そうはさせん！
シャルロット
『ヒースっ！
獣人
「何だあ、このガキはぁ？
シャルロット
『な、なんでちか、あんたしゃんたち！！
いたい、いたい、はなすでち！
ヒース
「シャルロット！！
やめろ！その子から手をはなせ！
獣人達
「ぐぁーっ！！
ヒース
「シャルロット！もうだいじょうぶだよ。
でも、どうしてこんなところに！？
シャルロット
『うぇ、っく、ヒースー…あのね、シャルロットね…
ヒース
「しっ！何か来る！
シャルロット
『うぅ、こ、こわいでち…
ヒース
「あ、あぶないっ！！
ヒース
「…ぐッ！！
シャルロット
「ヒースっ！
謎の男
「クックック…、ホーリーボールの使い手のワリに
あっけないな…しかし、なかなか、高レベルの術者のようだ。
こいつは思わぬひろいモノをしたわい…
シャルロット
『うわー、ばかあ！ヒースに、なにするでちか！！
謎の男
「何だこのチビは！？ひっこんでろ！
シャルロット
『ヒースっ！どこにいったの！？
シャルロット
『ヒース…ヒースをかえせーっ！！！！
とつじょ現れた謎の男に、ヒースが連れ去られてしまう…
ジャドの町に侵攻してきた、ビーストキングダムの獣人達…
シャルロットのまわりで、何かが音をたてて動き出した…
だが、この時シャルロットは、世界の命運をかけた戦いに
やがて自分が巻き込まれて行く事など、知る由もなかった…
物語は、まだ始まったばかりなのだ…
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