「なやめる者達が、世界中からこの聖都ウェンデルに
やってくる。聖都ウェンデルは永世中立都市、この町の中では
敵も味方もない…
「すまんねえ、まだじゅんび中なんだよ。
夜になったら来ておくれ。
「光の神殿は、町の北に、あります。
「ビーストキングダムは西の密林の向こう側。
いかに獣人でもそこをこえて来る事はできません。
だから、海ぞいのジャドからまわりこんできているのですね…
「獣人って強いの?
「獣人?なーに、ウェンデルには光の司祭様がいらっしゃる!
私達は、司祭様と共にこの地を守るぞ!
「ウフフ、司祭様にそうだんしてよかった。
これで、国に帰っても、自信を持って生きていける…
「司祭の孫のシャルロットが行方不明だって
おおさわぎになってるよ!
「あたし、神官のヒース様のファンなの!
シャルロット
『ふ、ふん!ヒースは、あんたしゃんみたいな
がきんちょは、あいてにしないでち!
「アストリアまで、獣人達が攻めて来てるんですって?
ど、どうしましょう!!
「滝の洞窟の奥の方で、時々地ひびきがするんだ。
「聖都ウェンデルにも、武器/防具屋はある。
だが、こういうものが、いらなくなるような、
平和な世の中が来る事が、我らのねがい…
「洞窟内で迷っても困らないように、ウチのおじいちゃん
とくせいの、魔法のロープを買っていってね!
「一週間に一度、マナの祝日だけ、滝の洞窟のモンスター達が
おとなしくなる。人々は、その日にあわせて
聖都ウェンデルをおとずれるのだ…
「ところが最近は、なぜかマナの祝日でも、
モンスター達が、あばれつづけている。
聖都ウェンデルをおとずれる人がめっきり少なくなった…
「あなたがた、帽子をかぶった女の子を見かけませんでしたか?
司祭の孫、シャルロットが行方不明になってしまった。
まさか、モンスターに食べられてしまったのでしょうか!?
「シャルロットちゃん!!どこへ行ってたのですか!!
司祭様が心配されています。すぐにお戻りください!
マスター
「よう、ゆっくりしていってくれ!
「もう、みんな暗い顔しちゃって…
ぱーっと、さわぎましょうよ!
「はっ!わ、私がのんでいるのは、ウェンデル名物の
聖水ですよ。やだなあ、私は聖しょく者ですから、
おさけはのみませんよ!はは、はは、はは…
「私は方々を旅して、先日戻ってきたんだが、世界中で
戦争のウワサを耳にしたよ。北の魔法王国アルテナ、
さばくの盗賊団ナバール、そしてビーストキングダム…
「争いが起こる時、世界にマナの変動が生じる。
それらは、より大きな災の呼び水となる事があるのだ。
どうも、いやな予感がするのだが…
「光の司祭様は、神殿の中にいらっしゃいますよ。
「聖都ウェンデルは世界中の人々の心の支え。
誰もが一生に一度はこの地をおとずれ、
マナの女神様においのりをささげるのだ。
「バネクジャコって知ってるか? 森の中とかに生えてる
フシギなキノコみてえなもんだけど、アレにのっかりゃ、
空高く飛び上がってまわりを見わたせるんだ。
「滝の洞窟の上の山中には、聖地『光の古代都市』がある。
大昔には、マナの女神様が地上におりたった最初の地として
大いにさかえていたらしいが、今では誰も近づけない遺跡だ。
「最近、滝の洞窟の奥の方から、変な音が聞こえてくるのよ、
ズーン、ズーンって…。いったい何なのかしら?
「ここはウェンデル、光の神殿。
「滝の洞窟の上には、光のマナストーンによって
さかえたといわれる、古代都市の遺跡があります。
「聖都ウェンデルは、光のマナストーンの守護のために、
古代都市の遺跡にほど近いこの地に建てられたのです。
「古代都市の遺跡は、周囲をガケにかこまれているので
地上からは近づけないが、その遺跡のどこかに
光のマナストーンがあるはずだ。
司祭
「ウィル・オ・ウィスプは見つかりそうかね?
無事をいのっておるぞ!
シャルロット
『おじいちゃん!
司祭
「おお、シャルロット。
よいか?今日はおとなしく神殿の中にいるんじゃぞ!
『どうして?
「む…どうしてもじゃ!さあ、上の部屋で本でも読んでなさい。
『ちぇ〜、つまーんなーいのー
「光の司祭様はウェンデルを守るため、命がけで禁呪を使って
結界をはったが、呪文の呪いによって不治の病にかかり、
伏されてしまった…
「東の山の上、光の古代遺跡の方からズンズン音がしてたよ?
「司祭様が倒れられて、ウェンデルをおとずれる人も
ほとんどいなくなってしまいました…
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