ケヴィン
『獣人王!カールの仇!!
獣人王
「バカめ、何をいきり立っておる。
お前はすぐ早とちりするから、ダメなのだ。
もっと相手や情勢を冷静に見て行動せい!
ケヴィン
『なにをっ!
獣人王
「お前は、カールを殺してしまったと
思い込んだ様だが、これを見ろ!
ケヴィン
『カっ、カールっ!?
ケヴィン
『カール!!い、生きている!でも、どうして!?
獣人王
「死を喰らう男の使った幻術によって、仮死状態に
なっていただけだ!それをお前は、良くたしかめもせず、
うめてしまいおって。かわいそうに…
獣人王
「後でワシが自らほりおこして助けてやったのだ。
ケヴィン
『…獣人王、オイラ…あんたをごかいしてた…
獣人王
「フン、かまわん。むしろその方が好都合だったがな。
お前は、母親がいないせいか、子供の頃からすぐに弱さが
表に出る。お前にはもっと強くなってもらわねばならん。
獣人王
「お前は自分の母親は逃げて行ったと思い込んでいる
ようだが、本当はお前が幼い頃に病気で死んだのだ…
だが、それを知らせないで、怒りをワシに向けさせたかった。
ケヴィン
『!!
獣人王
「怒りや憎しみは、力や強さを引き出すのに
利用できるからな。だが、それは真の強さではない。
真の強さは、それを超えた所にあるのだ。
獣人王
「人間へのふくしゅうとか、マナの剣とか、そんな事には
ワシは関心が無い。このビーストキングダムを建てたのも
それまでの獣人達があまりに情けなかったからだ。
獣人王
「いつまでも人間達にしいたげられたことを根に持ち
ウジウジしていても仕方がなかろう。人間界への侵攻は、
そんな獣人達に勇気と希望を与えるための口実にすぎん。
獣人王
「だがようやく獣人達も自信を持ち始め、何とか自立
する事ができたようだ。ワシはな、弱いヤツが許せんのだ。
信じられるのは、何事にもくじけない強い心と力だけだ!
獣人王
「ケヴィンよ。
お前もようやく自立への道を歩み始めたばかりだ。
自分が信じるモノのために戦え、ケヴィン!
ケヴィン
『…わかったよ、獣人王!
オイラ、これからも仲間達といっしょに、
マナが失われたこの世界で、未来に向かって戦い続ける!
ケヴィン
『そして獣人王、いつかあんたを超えてやる!
獣人王
「ハッハッハ、それはどうかな?
お前みたいなヒヨっこに負けるほど老いてはおらん。
さあ行け、ケヴィンよ!
ケヴィン
『カールとオイラ、これからもずっとトモダチ!
そして、ホラ、仲間のみんなもカールとトモダチだ!
これからもっともっとトモダチふえるぞ。良かったな!
獣人王
「戻ってきたか、ケヴィンよ。
では、お前の望み通り、ワシが相手になってやろう。
いつでもかかって来い、ケヴィン!
ケヴィン
「……やめておくよ。
それより、オイラ、獣人王からもっと学ばなければ。
ルガーのためにも…
獣人王
「フフ…ちょっと見ない間に、
だいぶ、たくましくなったようだな。
いい仲間を持ったな、ケヴィン!
獣人王
「お前達は、獣人と人間とのかけ橋となって、
マナが失われたこれからの世界を導いていくのだ。
ケヴィン
『カールとオイラ、これからもずっとトモダチ!
そして、ホラ、仲間のみんなもカールとトモダチだ!
これからもっともっとトモダチふえるぞ。良かったな!